生きる意味を考える—「夜と霧」読書会の記録

今年も残りわずかとなりました。私たちのオンライン塾では、読書を通じて深いテーマに向き合う時間を大切にしています。この日は、ヴィクトール・フランクルの著書「夜と霧」を生徒と共に読み進めました。本書は、極限状況における人間の心理や生きる意味を問う深遠なテーマを扱っています。

読書会の進め方

今回の読書会では、次の4つのポイントについて議論しました:

  1. 語句の意味:難解な言葉の解釈や理解
  2. 感想:読んで感じたことや考えたことの共有
  3. 意味段落分け:文章の構成を考える
  4. 作者が伝えたいこと:フランクルのメッセージの解釈

登場人物

  • 私(先生)
  • 悠ちゃん(生徒)
  • かつみん(生徒)

読書中の気づき

生徒たちが本書を通して取り組んだのは、具体的な事例や抽象的な概念を自分なりに理解することでした。例えば、「コペルニクス的転換」という言葉について、生徒たちは「地動説を唱えたコペルニクス」のエピソードを思い出しながら、自分たちの視点を変えることの重要性について話しました。

また、文章中で繰り返し登場する「苦しみ」というテーマについても議論がありました。強制収容所での苦しみをどう捉えるのかについて、生徒たちは「自分に何が求められているのかを考える」という視点を学びました。これは、現代の私たちにも通じる大切な考え方です。

感想の共有

感想を述べる際、特に印象的だったのは生徒たちの率直な声です。

悠ちゃんは、「難しい言葉が多くて理解が追いつかなかったけれど、『自分に何が求められているかを考える』という考え方が少しわかった気がする」と述べてくれました。

かつみんは、自身の体験を振り返りながら「自分で作った部活をやめるわけにはいかなかったのは、責任感があったからだと思う。その感覚が『何かが待つ』という話に通じている気がする」と感想をまとめました。

教育の意義

この読書会を通じて改めて感じたのは、読書がただの知識習得ではなく、自分の考えや価値観を深める機会になるということです。フランクルのメッセージは、生徒たちが自分の人生を見つめ直すための大きなヒントとなったのではないでしょうか。

最後に

「夜と霧」の読書会は、生徒たちにとっても私にとっても挑戦でした。しかし、この本が投げかける問いかけに向き合うことで、生徒たちの考え方や感性が確実に成長していることを実感しました。オンライン塾では、こうした深いテーマに取り組む機会をこれからも大切にしていきます。